空中分解/
 
面がでかでかとプリントされているTシャツが、
翌日、職場の同僚と思いきりカブってしまったが、俺は恥ずかしくない。
街角で配っているティシューが欲しくて、
わざわざこちらから手を差し出したのに、
俺の手だけが見事に、まるで空気のようにスルーされてしまったが
俺はちっとも気にしない。
さっき、素足で割り箸の袋を踏んづけたら、
袋の中に入ってたちっちゃい爪楊枝が足の裏に突き刺さり
じんわり流血しているが、俺はヘコまない。
そんなことはどーでもいい。
俺は気にしない。
考えても無駄なコトは
考えるだけ無駄なコトなので
始めから何も考えないコトに決めている。
そもそも俺はいつから
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