白という色の可能性について/猫のひたい撫でるたま子
 
着てダンスを踊ったのは、違う男性の前でのこと。ダンスを踊り続けて一夜が明け、彼女は一人になっても尚踊り続けたというが、やがて彼女の汗を染み込み、朝日に乾かされたワンピースは白くなっていった。そんなワンピースを着た彼女を引き受けるのは、あの洋服作り一人だったという呪いの白いワンピース。このワンピースが白かったことから、純潔のウエディングドレスは白が基本となった。

白い飴玉というのは、愛情の記憶を飴玉という形で残したもの。自分を愛する男性を生涯無くしてしまった女性のみに配給される飴玉で、これが郵便で届いた女性は、一生涯これを舐めることでしか愛情を感じることはできない。
少し舐めては大切にくるん
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