/リーフレイン
 
たがってほとんど無限に恣意のゆるされる散文の一種を書くみたいな具合にその詩を書いているのではないという疑問形で言ひあらはされる。散文で書けばそれですむやうなこと、口頭で言ひまくればそれでいいやうなこと、それを、散文で書くのは、散文の性質上現実の物的秩序と論理の次序の要求に一応は従順に従ひ、その試験を経た上、あるひは受けつつでなければ書きおほせず、要するに体をなさないので、これを避け、また口頭で云ふには、相手が自分の存在を認めてくれるかどうかのそもそもの場面を組織するに必要な自信がなく、それに、自分もそれであるところの人間の声といふやつと自分の言はうとすることのあひだのみじめな不協和音が不安で、要す
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