コンタクトレンズテントウムシ/はじめ
 
と思って 腹を抱えてゲラゲラ笑っていた 柵から落ちそうになった 他人から見れば僕は異常者に見えたことだろう そして右目がおかしいことに疑問を持つだろう しかしそんなことは全てこのコンタクトレンズで見えていて それが脳で聴覚を刺激する電気信号に変わって聞こえていた 中でもターゲットにしていたのは最初に見た綺麗なお姉さん系の人や可愛い人などだ 男の心を読んでも次第に面白くなくなってきた 視界は赤と黒の景色で見づらかったが 慣れてしまえばどぉってことはなかった
 僕はふと空を見上げて見とれていた 空の心を読んだ気がした 僕はとたんに無心になり 流れゆく人々の音を聴いていた 僕は柵から降りて もう帰ろう
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