天井/チアーヌ
夢を見て泣いた
ひさしぶりだった
わたしはダブルベッドに
ひとり横たわり
天井を眺めていた
なんのへんてつもない
マンションの天井を
せめて天井が下がってきて
押し潰してくれたのなら良かった
それならばただの悪夢だ
でもそうじゃなくて
わたしは
ダブルベッドに
ひとり横たわり
天井を眺めている
ただそれだけなのだ
頭の方を窓際に向けたベッド位置は
確かふたりで決めたのだった
出窓に花を飾っていた
それは彼がお土産に買ってきたラベンダーだった
わたしが水をあげるので
ラベンダーだけは枯れずに
ずっと
窓の外は廊下になっており
コツコツと
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