短編「The First Encounter」/板谷みきょう
を内緒にしたまま、ニヒルを気取っていた。
にも関わらず、夜になると感傷的で甘ったるい童話を書いていた。
月日が過ぎて行く中で、ボクにとって《真実の愛》とは何なのかが、大きな問題となって膨らんでいた。出会う度に、擦れ違う度に、その答えを知っている人を求めていた。気が許し会える友人に、夜更けまで話し合った事も何度もあった。しかし、解った事は、答えは結局自分自身で見付けるしかないということだけだった。ボクにとって、それは精神的なものと、肉体的なものとの葛藤でしかない様にしか思えなかった。プラトニックとバイオレンスを考えれる事は、ぶらんこに乗って大きく漕げば漕ぐ程、接点が瞬時に過ぎてしまう様に不
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