短編「The First Encounter」/板谷みきょう
何処に愛があるんだろうか。ボクは、本当に純粋に彼女を愛していると思い続けていた。それなら何故、彼女の肉体を求めたがるのだろうか。本当は、彼女をボクは、心から愛していないのではないだろうか。そんな葛藤の中で、自己嫌悪にしか陥っていけない己の忌まわしき思考。愛の純粋性とは、確認も保証も約束もない互いの肉体を貪り合い、そして傷付けあう所にあるのじゃないだろうか。互いの運命に深くかかわりあう行為、かかわりあえる勇気と真実さ、真剣さと強さ、非常識と不道徳。そして悲劇こそが、真実の愛のように思えてならなくなってきている。愛されなくても愛し続けるひとりよがりと、愛のために自分の命さえ捨ててしまう愚かさ。嫌われて
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)