僕は神様/はじめ
 
 ? 決断



 長い眠りから目が覚めたような錯覚を味わいながらも、僕は閉じている瞼の裏側からひしひしと彼女の甘い吐息を感じることができた。僕の膝に乗っかっているアカリは時々、右や左へと何やら不審に体重を傾ける動作をしていたので、すっかり僕はデパートの屋上にあるワンコイン遊具の飛行機になったような気分でいた。決してリズム感があるとは言い難い彼女の動きに合わせてボクも体を傾ける。そうでもしないと飛行機のパイロットであるアカリはすぐさま落っこちてしまうからだ。しかし、飛行機の左翼、つまり僕の左膝のツボに彼女の尾てい骨がジャストミートに命中した時、僕は痛さのあまりバランスを崩し、アカリは膝から
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