僕は神様/はじめ
 
発した言葉だと思い違いをしていたのである。僕はそれを見勝手にも神のお告げだと軽薄な解釈をした。なぜかというと、?ボク?が先ほど口走った弁明は全て?僕?のでたらめなのだから。明白な理由は、そうしたほうが?最後の理性という名のヤツ?を騙しやすいからである。僕の心を入れ替えた発言にほっとしたのか、ヤツは耳を掴んでいる手の力を少し緩めた。その瞬間、僕は彼に次の言葉を突き刺してやった。
「……だがよく考えてみれば、この世界には法律も刑法もボク等以外の現世の人間も誰も存在していない。言うなればこの世界で最も力ある者がこの世界で権力を振るうことができるのだ。そして、その権力者に一番ふさわしい人物とは、ボク以外
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