僕は神様/はじめ
食らいついていた。非道理の突風が彼に襲いかかる。彼は消え入りそうな声でぶつぶつと何かを訴えていた。
「…なぜ君は彼女にそんな非道なことをしようとするのだ?……なぜ彼女に、本当の真実をしっかりと受け止めさせないのだ?……」
?ボク?は即座に答えた。
「…なぜそんなことをするのかって? 答えは単純さ。もう厭なんだよ、真実を論じるボクを笑い者にする観客をこれ以上増やすのは。飽き飽きしたのだよ。あの、人間が人間を嘲笑う奇声は、ボクの鳥肌を波立たせ、胃液が胃の壁を突き破って体全身に浸透していくようなおう吐を生み出すからさ! ……ボクがその恐怖から逃れるためにここにやって来たことをボクと一心同体である
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