僕は神様/はじめ
 
るか終わらないうちに、アカリはグスン、グスンと、泣きじゃくりながら僕の胸に抱きついてきた。胸に飛び込んで来る拍子に肩に掛けてあった布がぱらっと完全に開き、血の海に溺れた純白の裸体が眩しいほどに輝いた。アカリは乳房を僕の学ランの校章にぎゅっと押しつけた。彼女は一瞬ヒヤリとした表情をしたが、ようやく校章が自分の体温と均一になって満足したらしく、ニコッと並びのよい白い歯を見せた。彼女に乳房を押しつけられている間、明らかに僕の心臓の鼓動は早かった。もはや僕はアカリを見てはいなかった。目の前にいるのは彼女ではなかったのだ。今僕は全く別の女を眺めていた。もう僕の知っているアカリはいないのも同然だった。僕の膝に
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