僕は神様/はじめ
こめかみを親指で揉みほぐしながら僕は聞き返した。すると彼女は何を思ったか突然、下半身覆う布を解き初め、両手でその端を持って広げだした。
「………………」
僕は声を失った。
今まで、布の長さのせいで足元がすっぽり隠れて見えなかったのだが、僕はアカリの足元に半径二十センチほどの小さな血溜まりができていることにこれっぽちも気がつくことがなかった。広げた布の下端は飢えた獣のようにゴクゴクと血をおいしそうに飲み込んで、既に血はアカリの踝の三分の一程の高さの布のところまで染み込んでいた。僕は血溜まりから徐々に視線を上げていった。純白の絹のような滑らかな肌に覆われた内股には幾つもの血の線が折り重なるよ
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