僕は神様/はじめ
何かいたずらをしてこなくなっていた。まぁ、十五歳という年齢からすればちょうど今はアカリの反抗期に当たるんだろう、僕だってアカリと同じ時期があったなぁ、と軽い気持ちでいたのだが、いつも僕から離れて一人で何か物思いにふけっていて話す機会がなく、まるで僕と距離を置いているような気がしてとても寂しい思いをしていたのだか、今日久しぶりにアカリから話しかけられたことに歓喜して、わざと聞き取れなかったふりをしてみたのである。僕は嬉しさを奥歯で噛み殺して、もう一度アカリに何て言ったのか尋ねてみた。
「なぁ、アカリ、パパなぁ、さっきの言葉、よく聞こえなかったんだけど、もう一度言ってくれないかな?」
僕は無造
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