僕は神様/はじめ
 
?どうして?」
僕はハンカチを落とした。
 彼女は僕にとって触れて欲しくない純粋で素朴な質問を浴びせてきた。胸の鼓動が増し、額にべっとりとした汗玉が溜まる。
「……どうしてって、それはパパにも分からないんだ……パパはねぇ、アカリよりもうちょっと大きい時に、ふと気が付いたらここの世界にいたんだ、ほ、本当だよ、ハハハ……」
 僕は震える小声で答えた。明らかにこの場でつくった即席のウソだった。喉の内膜を反響する声がいつもより震えているのがはっきりと分かった。と同時に、体中に痛みを伴う悪寒が走った。
「……ふぅーん…。そっかぁー、いくらアカリより物知りなパパでも分からないんだー、ふっしぎだね
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