僕は神様/はじめ
 
るはずなのに、神様か仏様か閻魔大王様かさっぱり分からないけれど、誰かが僕に、僕にとっては生きがいのあるありがたい罪をくれたらしい。ここは本当に全く、何も無い牢屋のような空間だけれども、僕にとっては現世よりも輝かしい世界に思えた。僕の唯一の楽しみは、彼女の成長だけのように感じる。もちろん、僕の育て方次第で彼女の人生が決まることを心得ていたし、常に僕の中では期待と不安が入り混じっていた。けど、僕の課せられた運命に逆らわず、従っていく芯というものは、どんなものよりも頑丈で図太かった。
 彼女の名は?河井アカリ?にした。僕の名字が河井というわけではない。生前、僕を好いていたあの才女の名字を彼女につけたの
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