僕は神様/はじめ
いた。こういう方法はなかなか思うように長くは続かなかったのだが、ある時発見した、自分一人でしりとりをしながら言葉を教えるという方法は結構長く続いた。
僕が血溜まりでこの子を発見した日を彼女の誕生日とし、ちょうどこの子の一歳の誕生日に、始めて言葉らしき言葉を発した。一番最初に覚えた単語は?パパ?だった。くわえた指を口から出し、僕のほうを指さして、?パッパ、パッパ?と、まだ歯も完全に生えていなく、くりんとした大きくて丸い目のあどけない表情で僕を見つめながらこの言葉を発した。この時ほど僕の今までの努力がようやく報われたことに心から深く深く感動し、涙が止まらなかったことは言うまでもない。
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