僕は神様/はじめ
年も昔のことになるが(寝て、起きての動作が一回終わる毎に、僕は一日経ったと計算していた。なんせここには太陽も月も星も、いわゆる時間を把握するために最低限必要な?公共物?が全くこの世界には無いためだ。おそらく、現世との時間の差が大分異なっているには違いないが、それは僕にとってどうでもいいことだった。この世界に生きる者にとって時間の概念など不要だからだ)、僕の吐いた血溜まりの中から泣き叫ぶ赤ん坊を見つけ、抱き上げた時、ふっと僕はこの赤ん坊から現世の臭いを微かに嗅いだ。その瞬間、僕の脳裏に現世で生きてきたこれまでの人生のハイライトが僕の誕生から始まり、僕が学校の屋上から飛び降り自殺をするまで、幾つも走馬
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