僕は神様/はじめ
かけ、僕はもう一人の僕の中に戻っていった。生命のエネルギーが噴水のように溢れ返っているのに気がついた。こんなにも僕をつくる細胞一個一個からの生命の息吹を、僕は今までに体感したことがなかった。各細胞器官から徐々に生の炎が灯り、僕の意識はようやく体の中枢で脈動し始めた。
? 希望の光
僕以外の人々が僕と全く同じ体験をしたとしたら間違いなく、自分の内で暴れ狂う魔物の苦痛に耐えきれずに、途中で逃げ出して舌を噛んで自害するか、食い殺されていただろう。僕はなぜだか分からないが、その生き物に打ち勝つことができた。そう断言できるのはおそらく、苦しみから逃げずに今こうして生き
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)