僕は神様/はじめ
 
身体中を駆け巡った。僕は数回に渡って大量に吐血し、意識が朦朧としながらもその場に身を屈め、激痛を少しでも抑えようと試みたが、身体の中の臓器が少しずつ、あの獰猛な生き物に蝕まれているのがひしひしと伝わってくるのを感じた。僕はふと思った。もしや、現世での自分の肉体の最期を痛みというものを橋渡しとして、僕の本体である魂に間接的に伝えようとしているのではないだろうか。そんな絶望というよりも希望に近い思いを微かな笑みで示し、僕はこの痛みを天からの恵みとして受け取った。
 ……やっと?お迎え?が来てくれたか…
 その生き物に脳を襲われたのを最後に痛みは途絶え、そして視力を失った。

 
 どの位時間
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