僕は神様/はじめ
膨張させた。その生々しい光景には吐き気がした。イメージによればそれは昆虫に例えると、焦げ色のタランチュラにさらに脚を三十本足したような生き物で、僕の腹の中をわさわさと不気味に行進していた。その生き物は荒れ狂っていて、鋭い牙と爪先が弾力のある粘膜の壁を容赦なく切り刻んだ。その気を失いそうな激痛と共に僕は大量の血を吐いた。僕の足元に大きな血溜まりをつくり、吐血の中にはブラウン色の毛らしきものが七、八本、何処かの湖の貸しボートのように浮かんでいた。吐血した後も、その生き物は手を止めるということを知らないとでも言うように、僕の内臓を食い荒らしていった。アイスピックで突き刺されるような鋭い激痛が断続的に身体
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