僕は神様/はじめ
つ三つした後、やっとのことで耳の鼓膜がぴん、と帆を張ったように広がったのを機に、頭の下に組んでいた手を崩し、指一本一本を伸ばすストレッチを始めた。相変わらずこの空間にも僕の身にも、何も変化は見られなかった。こう身の周りに刺激を与えられるものが全く無く、何も外部のものから刺激を受けていないように思っていても、常に知らず知らずのうちに何らかの影響を受けているように感じる。僕の身体の奥深くで少しずつではあるが確実に何かが変化しているような気がした。僕はその嵐の静けさの前のような心の不安を、何処かの大学病院の研究チームの研究レポートのように胸の中でまとめ上げていった。我ながら阿呆らしい論文だった。僕はクス
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