僕は神様/はじめ
 
指先から僕の顔へすぅーっと、必ずこの世界には必ずなにか、僕以外の何かが存在するにちがいないという全く根拠のない確信が昇ってきた。こう自分で自分を励ますと、また血液が元の位置に戻っていくぶん元気になり、好奇心と希望を奮い立たせて終わりの見えない世界を歩き始めた。
 
 
 しばらくの間はただ黙々と水に浮かぶあめんほのように前へ、前へと前進していたのだが、ある時ぱっと動きを止め、上下も左右も分からない空間に手足を投げ出し、僕は仰向けになった。もっとも、ここの空間では仰向けも腹這いも同じなんじゃないかと思った。だってどっちが北で、南で、西で東かなんて区別するだけ体力と時間の無駄だろうから。僕はこの
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