僕は神様/はじめ
吹き出したり流したりしたのなら、学ランは血を大量に浴びて真っ赤に染まるはずだ。頭に何ら異常がないことでも分かるように、僕は本当に校舎の屋上から飛び降りたのかと自分自身を疑うぐらい学ランには血一滴として付いていなかった。健全そのものだった。さらに驚いたことは、どうしてか分からないけれど僕が落下する以前に屋上から飛ばしたはずのスニーカーをなぜか履いているということだった。わけがさっぱり分からなかった。……どうしてだろう、僕はもう一つ謎を見つけてしまった。あの日の朝、僕が寝坊してバスに乗り遅れたせいであの水溜まりに浸かってしまい、泥水で汚れたはずの右靴の汚れがきれいさっぱりになくなっていたのだ。僕はもう
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