僕は神様/はじめ
 
とは微塵たりとも思わなかった。
 僕はまだ動かすことに慣れていない首をぎこちなく回せる限り回して、周辺をぐるぐると観察してみた。まず目についたのは、やはり僕自身の体についてだった。僕の体は一体どうなってしまったのだろうか。僕は両手で全身のあちこちを注意深く触りながら、視線は着衣の変化や乱れについて鋭くチェックした。検査結果は体には何ら異常はなく、特に一番ダメージの大きいはずの頭については、ノミほどのたんこぶ一つとしてついていない、ということだった。学ランも校舎の屋上から転落する前と何ら変わりはなかった。普通、高いところから落ちて地面に思いっ切り叩きつけられたり、救急隊員に揺すられて頭から血が吹き
[次のページ]
戻る   Point(0)