僕は神様/はじめ
に眼球にはビリビリした感覚が残ってはいるものの、ようやく視界を元の暗黒の画に戻すことができた。それから時間をかけて闇の奥に広がる微々たる光の湖に対して少しずつだが確実にそして着実に瞼を開いて瞳を浸し、目を外の世界に慣れさせる作業を何度も何度も繰り返していった。
どのくらい時が経ったのだろうか、やっとぼやけてではあるが、頬を伝う汗を拭った手の平の血管と皮膚の色の違いを識別できるまでのレベルに視力が回復し、ようやく今自分が置かれている場所を把握することができた。
「ここは……、何処だ……」
そこには僕以外何も無かった。正確にいえば、色と明るさと空気と僕以外何も無かった。こんな場合、この
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