僕は神様/はじめ
 
天使のような笑顔を浮かべながら意識を失った。


     ? 何も無い世界



 朦朧とした意識が戻るのを待っていたかのように僕は何の合図もなくふっと僅かに目を開けると、突如眼球の表面を突き刺すような鋭い激痛が走った。瞼の暗闇の中で幾つもの光が乱反射していて、僕は眼球を瞼の上から握り拳でグリグリと掻き回し、少しでも痛みを和らげようと必死に揉み続けた。眼球を無数の光の槍で突かれたような気がした。瞼の裏のスクリーンに映る残像を均等に伸ばそうと力一杯擦り過ぎたせいであやうく眼球が破裂するのではないかと恐れたが、大丈夫だった。僕は鶏の卵を扱うようにそーっとその作業をこなしていき、未だに眼
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