僕は神様/はじめ
過ぎったのはほんの一瞬だけのことで、ぶらぶらと遊園地のアトラクションのように、頭蓋骨や胸から血を吹き出して揺れている自分を、自分が一番奇妙にも愉快にも思えてしかたがなかった。その単純な動作は僕にとってだんだんとつまらないものになっていったが、僕自身いつまでたっても笑いを抑えきれないのは、どうやらさっき屋上で吸った風が僕の腹の中でぐるぐるといたずらに渦を巻いているせいであるらしかった。とうとう、この群衆に見せている異様な風景から得る心地よい快感に耐えきれなくなって、ゲラゲラと、口の中にまで入り込んできた出血によって詰まってしまった喉に力を入れて奇声を発し、そして笑った。すると以前よりももっと大きな悲
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