僕は神様/はじめ
 
の担任と面識のない不特定多数の大人達とヘルメットを被った人間二人が血にまみれた僕の周りを一斉に取り囲んだ。おそらく生徒の誰かが呼んだ先生方と救急隊員か何かだろう。隊員らしき人が二人で僕の肩を慎重に揺すって応答を求めてきたが、揺すれば揺するだけ、僕の中からますます血がドボドボと溢れ出てくるだけで、そのコントみたいな珍風景は辺りに悲鳴と緊張感を生み、そして一種の笑いともとれるものを生んだ。僕の胸の奥からもクスクスと悲痛な叫びに似た可笑しさを湧き出させた。一方で僕はなぜ、こんな危険な状況下において自分は死についてこんなにも冷静でいられるのだろうかとずっと自問自答していた。しかしやはりそんなことが頭を過ぎ
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