僕は神様/はじめ
 
しの沈黙のあと、ゆっくりとうなずき、僕に励ましのエールを送ると同時に、自分が今まで悩んでいたことはこの男が抱えていた苦しみなんかよりずっとずっと軽いことなんだということに気づく。実は僕のほうが相手より程度の浅い人間なのだ、ということを気づかれないうちにそっと話をそこで切り上げ、そのまま信じ込ませておく。とびっきりの台本をその場で都合のいいように変えていって。
 こんな妄想にも飽きると、相手はいつものようにいつのまにかいなくなってしまうが、僕は大いに満足する。そしてすぐに新作の面白い台本にとりかかる。僕が再びこの空虚な世界が退屈なものに感じ、空想を始め、頭の中で誰かが僕のいるこの世界にふらっとやっ
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