僕は神様/はじめ
 
ている僕である。なぜか腹の底から笑いが溢れてくる。と同時に、腹の脇からは軽い腹痛と共に、惨めな孤独と後悔を感じた。 
 僕は黒褐色にくすんだボロ布に包まれたアカリの横へ、体育座りになって身を丸めた。アカリの髪を指でとかしながら、僕は今までの自分の人生を頭に思いつくままに?例え?てみた。
 それは次のようなものだった。
 
 海に投げ出された遭難者が、転覆した貿易船から落ちた木材の端切れに掴まって命を繋いで救助が来るのを大波に飲まれながら待っているというよりも、水の無い水槽の中で腐敗した何十匹もの魚を毎日毎日飽きずに眺め、それの鱗を一枚ずつ剥がして洋ダンスにきちんと整理し、時々眺めては興奮し
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