代表ジェラルミン、おおいに語る/hon
 
クモは苦手であるし ジャマくさいと思い
どこから侵入するかと経路を調べたり
ときには一匹を捕らえて殺しさえしたが
しばらくすると男は
その部屋にゴキブリがあらわれないことに気がついた
そこで男には得心がいくところがあった
これはクモがゴキブリを排除しているのではあるまいか?
まあ本当のところは分からないが
男にとって部屋にゴキブリがでないことはありがたく
それもクモのおかげと考えてみれば
ちいさなクモたちがなにやらいとおしくも思えてくるのだった
それからもひんぱんにクモはあらわれたけれど
男はクモをもう不快に思うことはなくなった
めでたし、めでたし……
この話はこれでお
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