鸚鵡の偉業/蔦谷たつや
ったのである。
やがて彼の怒りは、紛れもないひどい悲しみに変わった。
新しく呼ばれた臣下はただひたすら、世界中に渡って、青の鸚鵡を探した。
それはそれは、死に物狂いで鸚鵡を探した。
けれども鸚鵡はどこを探せど見つからなかった。
すると、王様は彼の民をもつかってまで、鸚鵡を探しだそうとした。
民はこの愚策に何も言わずに従った。
民はそれはそれは一所懸命に、彼らの愚王のために鸚鵡を探した。民は住み慣れたこの国を追われたくなかったのは勿論あるが、なにより彼らの愛する王様を哀しませたくはなかったのである。
だけども鸚鵡は見つからなかった。
王様は悲しんだ。
やがて彼の悲しみは、また
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)