真夜中2時、壊れ方の手引き/三架月 眞名子
こんなB級映画
誰が見たいと思うだろう
作者の主観で捻じ曲がったシンジツ
カメラの不具合で捩れたジジツ
眩暈が襲う
吐き気が襲う
それでも見続ける
だって
何度見ても
結末が覚えられない
辿っても
手繰っても
途中からは無音の砂嵐
今日こそは覚えて帰ろうと
重い頭を押さえて凝視
映画はとうとうクライマックス
思わず前のめり
気張って中腰
それでもどこか及び腰
ヒロインは指差す
その先にあるもの
その先にいる人・・・
すると突然けたたましいベルが鳴る
劇場はすばやく暗転
画面も刹那に消滅
暴力的に奪われた結末
そうだ
いつもこうなんだ
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