真夜中2時、壊れ方の手引き/三架月 眞名子
まだ帰りたくない
まだ孵りたくない
なのになのに
体は浮上に抗えない
深い闇と静寂は
急速に軽さを吸収していき・・・
目を開けると眩しい光
煌々と点る電気窓
埃の舞わない静かな午前6時
薄れゆく記憶と
確かに残る倦怠感
でもアタシは戻ってきた
変わらず進むこの日常
学校に行かなきゃ
授業を受けなきゃ
人と会わなきゃ
テキトウに掴んだジーンズに足を押し込み
顔を洗いに洗面台へ
耳に響くは
確かに刻む時計の針
高々と囀る小鳥の声
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