プシユヒヨ・アナリユーゼ/はじめ
わり〉としてやってしまったのだ 本当に僕は精神科医として欠陥だらけで藪っぽくて失格だ) そして診察室のドアを君はくせのあるノックの仕方でトントンと叩き 中へ入ってきた
僕はそのままの笑顔で君を向かい入れる 君はいつも雨の日でも風の日でも嵐の日でも朝一番に来てくれる それに手作りのサンドウィッチのお弁当まで持ってきてくれる 味はマズいが僕は少しでも君に近づきたい一心で 「おいしいよ。いつもご苦労様」と笑顔で嫌々言っている 欲しいのは君なんだ いや 現在治療している君の凍った心なのだ 僕は君にどの薬を調合し飲ませ 脳の神経伝達物質ドパミンD2受容体の回路を遮断すれば苦痛が無くなるのか知っているし
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