男になりきれない、女になりきれない、手紙。【夜のみち。】/西瓜すいか
 
、すぐにわかる。

「レイプがどう行われるか、知っている?」

戸惑っている。考えたこともない、という顔をしている。

「少女たちが、腕をどうやって切るかを知っている?」

ただ驚いている、顔。そして困惑した顔で彼は問う。
「なんでそんなことを?」

私は語った。彼女のことを、自分のことを。愛した女のことを。
彼はすべてをおとなしく聞いていた。
ばつが悪そうに、聞いていた。
「ゲームや漫画の中だけの話だと思ってた。」
「男の子は、みなそんなふうに思っているの?」
「わからない。でも、たぶんそうだと思う。だってそんなこと、僕ならやらない。」
「あなたなら、やらないの
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