男になりきれない、女になりきれない、手紙。【夜のみち。】/西瓜すいか
いの?」
「だって女の子は、大事にすべきものだよ。」
「でもあなたは女が犯される絵を描くのね。」
「それは想像の話。現実は…」
「現実は?つきあっている子を、大事にしているの?」
「そんなこと。」
「…つきあっている子、いないの?」
「…うん。まぁ。僕はこんなだし。」
「ねぇ、今度また、話を聞いて。今日は聞いてくれてありがとう。」
お ん な の こ は 、 だ い じ に す べ き も の
本当に?けれど男が嘘をついているようには見えなかった。
私は可笑しくなった。どうやら男には二種類いるらしい――うぶな男とそうでない男。
目の前にいる男の種別は、わかりきっていた。
そうだ。この男にしよう。
「やさしく」してくれるだろう。
「だいじに」してくれるだろう。
そうだ、この男に「惚れ」よう。
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