男になりきれない、女になりきれない、手紙。【つきあい。】/西瓜すいか
男が怖かった。
私は長いこと、母親と二人暮らしだったし、通っている学校は(系列の男子校があるとはいえ)女子校だった。
はじめてすきになったのは男の子だったが、それは小学3年生のころのことだった。
つぎにすきになったのは、女の子だった。わたしをちょっとしたいじめからちょっと守ってくれた、小学6年生のころの同級生だった。
さんばんめにすきになったのは、塾の同級生の男の子だった。自慰を覚えたばかりのころで、性への興味が「すき」の大半を占めていた。たった一回、家に呼んだときに、ジーンズの合わせが膨れていることにショックを受けて、それから、会うことはなかった。
月並みないじめと、月並みな勉
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)