少年少女/まわる星/石田 圭太
言葉にならないものを受け取り
言葉を失って
涙で
模倣していた
+
男と女
を意識する
少年少女の
初めて
模倣したそれは
ただの痛みで
喜びないものが広がり
声になり
別れを
模倣していった
愛は
始めからなかった
やがて
他の少年少女に出会い
知った
+
少女の
肩を叩く
少年の
指先から始まる
広大な
緑の平原
むせるほどの
春の匂い
模倣の宴に
少女は
歓声を上げて
少年も
わーっ
と
それを
模倣した
鞄の中身を
広げ
合って
嬉しい
嬉しい
と
話し
合っ
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