彼の、パキーネ、異形の詩歴書番外/佐々宝砂
彼は私がパキーネであるとすぐ気づいた。私の「らしくない」恋愛詩も、もしかしたらものすごく「らしい」恋愛詩にみえたのかもしれない。だが、パキーネ=佐々宝砂と気づかない人の方が多かった。私はわりとすぐ種明かしするたちなので、私はパキーネですわーとすぐに告白した。そんなこと多くの人にはどうでもよいことなので、話題にはならなかった。
しばらくたって私はメッセのアドレスを取得した。sasahosaをIDにすると、知られたくない相手にもメッセのアドレスがバレやすくなるなーと思い、PakieneをIDにした。それで、私と親しい友人は佐々宝砂=パキーネだと普通に認識するようになった。中には私のことを「ぱきち
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