彼の、パキーネ、異形の詩歴書番外/佐々宝砂
きちゃん」と呼ぶ人もいた。パキーネという名前は、私にとって、へんな話なのだけど本名より私的な名前になった。
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知っている人は知っているように(知らない人は知らないままでいてほしいから説明しない)、パキーネは、我ながらうんざりするようなかたちで現フォに登場した。私は私の行為についてあまり後悔したくない。多大に反省しているし、ちょっぴり後悔してはいる。ただ、パキーネという、私にとって大切な名前を汚してしまったような気がして、それだけが、せつない。だが、眉村卓のパキーネは、不気味にあおざめたぶよぶよの頬を揺らして微笑むかもしれない、わたしは愛してもらうために幻をみせたのよ?
ユーカロ星生まれのパキーネは、地球生まれのパキーネを許してくれるだろうか。
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