彼の、パキーネ、異形の詩歴書番外/佐々宝砂
ト上に詩を書いていた。私はすでに「佐々宝砂」で、私の作風は一部の人に知られていた。私は、とあるネット詩人が好きで、毎日くだらない話を掲示板やチャットでかわしていた。あるときそいつがあほなことを提案した。別HNで恋愛詩を書いてサイトに投稿し、どれがお互いの作品かあてよう、と言ったのだ。彼は「らしくない」どころか私の目からは「らしすぎる」ようにしかみえない詩を別HNで投稿した。私はそれが彼の作品だとすぐわかったが言わなかった。あえて言わないでいる方が楽しい気がした。
私も別HNつけなきゃ…と考えて、ふと思いついたのがパキーネという名前だった。そこで私はパキーネというハンドルを持つことにした。彼は
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