彼の、パキーネ、異形の詩歴書番外/佐々宝砂
 
。再々々読した。好きだと認識した。パキーネになりたいと思った。私はパティ・スミスにもケイト・ブッシュにもなれないが、パキーネにはなれるのではないかと思った。ユーカロ星から地球に留学してきたパキーネ。青白い顔をして、ぶくぶくと無様に太ったパキーネ。ヒューマノイドであっても、地球人からの目からは不気味な女にしか見えないパキーネ。でもパキーネはひとりの地球人男性の心をとらえる。どうやって?

騙すことによって、だ。

騙された男は、騙されたことを知って、なお、騙されるためにパキーネを求めてユーカロ星にむかう。

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話はずーんと飛ぶ。私は三十歳を過ぎ、インターネットを知り、ネット上
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