彼の、パキーネ、異形の詩歴書番外/佐々宝砂
の年の夏、私はほんとうに大量のSFを読んだのだ。筒井康隆に小松左京はもちろん、クラーク、ハインライン、アシモフ(当時はこういう表記だった)ももちろん、名前をあげるときりがないので適当に名前をあげるが、コードウェイナー・スミス、ストルガツキー兄弟(古いSFマガジンではこういう表記だった)などなどを古いSFマガジンで読んだ。そして1982年当時のSFも読みまくったのだ。当時、SFマガジンには萩尾望都の「銀の三角」が連載されていた。大原まり子が「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」を書き、神林長平は「言葉使い師」を書いた。鈴木いづみはまだ生きていた。
私の「ある部分」はあの夏に形成されたのだと思う
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