さ く ら/川口 掌
 


しかし
そのうちに由美子姉さんを除き
彼氏さんと二人だけでドライブに行ったり
飲みに出かけたりする事が多くなり
いつしか
筋違いで悪い事なんだと心の中で思いながら
由美子姉さんがここから居なくなればよいのに
なんて事を強く強く願う様になり

訳もわからず 来る日も 来る日も
枕を濡らす日々が続いていました



やはりちょうど
今のように桜の咲く頃の事でした
由美子姉さんを見かけない
そんな事に気づいたのは

辛く切なく眠れない日々を過ごしているのは
私だけでは無かったのです
治らないそんな病気を抱えた 由美子姉さんが
いったいどんな気持ちで日々を
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