風のブブブ/はじめ
ーハーと言っている
僕は開けるのを助けたくなる けどじっとその様子を見ているだけだ
道路を高級そうな黒車が通る 僕はその車に目を奪われた
車が通り過ぎたのと野良犬が蓋の上で前足をバタバタさせているのを見て左脳から右の空間が吹っ飛んでいって冷たくなったのが分かる 冷えた心の底と同じ高さの道を人々は左右から構わず歩いてくる 僕はその光景を見て両腕の血液の流れが良くなった
そのうち野良犬はポリバケツに隠れる格好で立ち小便をした 地面に黄色い小さな穴が空き 湯気が出ていた 小便が終わると野良犬はブルッと体を震わせたと同時に僕は膀胱に尿意を覚えた それだけだ 今この場所で起こった出来事は
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