極寒と殺害の恐怖と閉塞した絶望/はじめ
 
ていて 女陰は見えない
 君を信じていられる間はそうだ しかし一度清純な君を疑ってしまうと 春は一瞬にして峻烈な冬へと変わり 吹雪が吹き荒れ 桃色の森はチャコールグレーの森へとなり 極寒に世界は包まれてしまうのだ
 君はあまりの寒さの中 死にそうに横たえている 背中の羽にはもう力が入らなくなり この世界からは脱出できない 僕のせいなのに 君は僕に微かな微笑みをずっと見せている
 僕が君を信じられないからなのに 君に殺害される恐怖を味あわせてしまい この死んだ森に閉じこめて生存の希望を失わせてしまい絶望させる
 もっと君を信じることができれば もっと君を想うことができれば この忌々しい冬を取
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