言霊/
 


それに乗じて宗教団体を大きくする人や
水の中でも長く息が出来るようになるという練習器具を売り出す人や
辛さを忘れる為の妖しい薬を売る人もいた

けれど根本的な解決策は
なんら見つからなかった

そんなある日
ある街に1人の旅人が船に乗ってやってきて
街角で歌を歌いだした

彼はとても奇天烈な格好をしていて
とても不思議な声をしていたので
最初は誰もが胡散臭がり避けていた
ただそれはとても癖になるメロディだった

ある日家事をしていた主婦が
思わずその歌を鼻歌で歌いだした
歌うと何故か昔見た
太陽の光を思い出させた

それを聞いていた娘は
1度も
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