エスケープ/nm6
だらけのぼくらは、不安から遠く離れて、遠近法が手のひらに乗せる距離から、あたらしく眺める。そうしてつくるのは、概念だ。ところで、あたらしいものは、つまり死なんだってさ。セントラル・パークの真ん中で、ぼくらは位置づけて、思い込んで、だましだまし、
( )、
で、エスケープ。
永遠に鳴り止まないブーンとかキーンとかいう音が、増幅してあたたかく光る。
知れたもんだ。
ハッピーは、ハプニングか。
ガラス窓。立て付けが悪い。エンジンが震えつづけ、バタン、ドアを閉める車の、ほんとうは苛立ちではない音。カンカン、なんだろう、踏み切りのような高めの警告に、
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