詩人が収入を得る方法/ななひと
 
何らかのムーブメントを起こす」
これは現代でも何かのたびに起こることで、そしてこれだけが唯一「詩で儲ける」道である。はっきりした統計はないが、島崎藤村の『若菜集』は相当売れたらしい。藤村先生を貶めるつもりはないが、『若菜集』に関しては、こんなエピソードが散見される。要するに、「女を落とすには『若菜集』を買え」というものである。『若菜集』を買って、持っている、あるいはその中の詩句を口にすると、もてるのである。かっこいいと女に思われるのである。だからみんなこぞって『若菜集』を買う。これは現代でもそうだと思うが、何でこんな人の詩集がばか売れするの??とお怒りになった経験は多いだろう。内容は、個別のこと
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